LCC (ローコストキャリア) 格安航空会社

 今話題の、LCC(格安航空会社)の飛行機に挑戦?してみました。
 
 

 今回は、丁度中国上海への出張の為、茨城→上海 ¥4,000、そして
 高松→上海¥3,500 と歌っている、春秋航空に..、この安さには何か
 落とし穴があるのでは? と半信半疑で乗って見ました。

 まずはチケット購入。チケットは通常の航空会社の様に、代理店や旅行社
 では購入出来ず。インターネットのサイトからのみの購入となる。

 春秋航空のサイトでは日本語で対応出来る。 チケット検索にて行き先、
 日程等を入力すると、購入可能金額が表示される。 ただ週に3便しか
 無い為に日程の選択に幅があまり無い。

 日程により、金額に大きな差がある。最安値は、¥4,000、そして私が見た
 最高値は、¥45,000(いずれも片道) どうしてこんなに差があるのか?は
 不明。 座席のクラスはビジネス等は無く一種類。

 日にちが少しずれるだけで大きく価格が変る。 中国の団体客が多いようで、
 中国の休日や予約状況で価格が変化する様に思える。(私の想像ですが)

 私が購入しようとした日には、¥6,000か¥8,000の二種類。 残念
 ながら、¥4,000は無かった。日程の都合で往復とも¥8,000に決定。
 これに、サーチャージ等(片道約5,000)が加わり、それでも、合計で
 ¥26,600 確かに格安だった。 もし¥4,000が取れれば、合計でも
 ¥20,000を切ってしまう。 日本国内より安い。

 便を決め、購入手続きをする。パスポートN0や必要項目を入力し、カード
 情報を入力すれば、チケット購入の手続きは終了。通常他の航空会社なら
 これで後に、Eチケットや情報が e−mail で送られてくるが、何も応答は
 無い。予約の確認は、HPにて...という事。カウンターでは、パスポートと
 購入時に使用した、クレジットカードを提示すれば良いとの事。
 なにか少し不安になる。 HPで予約情報で確認をすると、ちゃんと予約は
 されているようだ。

 そして私は今回は重慶に立ち寄る為に、中国国内のチケットも購入する。
 同じ春秋航空にて、国内線の購入も出来る。要領は全く同じだが、国内は
 便数も多く、時間帯等で価格が大きく変る。 上海、重慶間では、最低は
 ¥2,700から上は¥15,000位まである。通常の料金だと、¥18,700
 (片道)という事。これに税やサーチャージ等で片道¥4,500程加算される。
 それでも、合計で¥12,000位とやはり安い。

 何かよくシステムが分からない。どうして価格が決められているのか?何が違う
 のか? 疑問だらけ...

 さて、いよいよ出発の時、従来は成田空港より出発するが、今回は茨城空港
 からの出発となる。成田だと自宅から約200km、茨城は約180km距離は
 差ほど変らないが、成田だと東京を抜けなくてはならないが、茨城だと先日
 開通した、北関東道で殆ど一直線で空港まで行く事が出来、また渋滞も
 殆ど無さそうで、時間的にはかなり早くなりそうだ。

 ナビでルート等をチェックしようと検索したが、私のナビでは茨城空港は無い。
 自衛隊の百里基地で検索した、しかし高速道路も私のナビには無い!

 9月9日(金)通いなれた中国行きだが、今回は初めての事も多く、少し
 緊張して何か新鮮な感じで出発。時間もかなりの余裕を見て出発した。
 飛行機は、13:50発、12時に着ければ十分だと思った。ゆっくり走行して
 3時間、8時30分に出発、通い慣れた関越道から北関東へ...太田
 まではよく通行したが、それ以後は最近繋がった為に未知の世界だ。

 私のナビでは伊勢崎までで、それ以後は殆ど道無き道を走っている。殆どが
 田んぼの中...車の通行量も非常に少ない。途中でパーキングで食事
 でもしようと思ったがパーキングも無い。やっとあったと思ったら、レストランや
 店は無く、コンビニだけ...まあ新しい道だからしょうがないか。

 のんびりと田んぼの中を走行しながら一路茨城空港へ。空港へ近づくにつれ
 どんどんと風景も寂れて行く。高速で茨城空港北で降り、一般道にて空港へ
 殆ど車が走っていない。これってほんとに空港へ行くのかな? 全くのローカル
 空港だ。確かに国際線は春秋航空の週3便のみで、韓国の便は運休となって
 いて、あとスカイマークが神戸へ1便、札幌へ2便のみとなっている。
 多くても一日4便しかない。 空港へ近づくと道路の両脇に、熱烈歓迎の
 のぼりが一杯に立っている。 日本、中国、韓国語ののぼりがある。

 のんびりと、景色を楽しみながらドライブ、途中休みながらで到着は12時少し
 前、まあ丁度良い時間かな? ここは空港の駐車場は何日止めても無料、
 1300台は駐車出来るとの事。当然便も少ないので車も多くないだろう。
 と思ったが、到着してびっくり。 大変多くの車が駐車されている。 へえ〜
 皆何処へ行ってるのだろう? まさか中国では無いだろう。 たぶん神戸とか
 札幌か? 差ほど大きな駐車場ではないが、空港ビルの近くではスペースが
 無く、かなり離れた所しか空いていなかった。

 空港前の駐車場。 車の多さにびっくり。


 大して大きな荷物は無いので、また空港ビルも直ぐ前の為に問題は無い。
 大変便利だ、茨城空港は小さい事を売り物にしている、確かに非常に便利
 だ。中国の空港等は、馬鹿でかい為にどれだけ歩かなければいけないのか?
 大変時間も労力も無駄だと思う。

 空港ビルに入ると、カウンターを探す事も無い、入り口の左右に一箇所づつ
 しかカウンターが無い。右が春秋航空。左がスカイマーク。間違う事も無い。
 早くもカウンターに長い列が出来ている。一目で中国人と分かる人達が列を
 なしている。やはりここでも遠慮なく割り込んで来る。ここは日本だよ!と言って
 やりたいが...たぶん私は中国人だ! と返されるだろう。

 中には、ぱらぱらと日本人もいる。 私の感じでは80%位が中国人だろう。
 スタッフは勿論日本人もいる。そして順番待ちで並んでいると、係員がプラ
 カードの様なものを持って、席はいかがですか? と声をかけて来る。 何?
 少しカードをみると、¥2,000、¥1,000とか書いてある。 へえ〜席って
 買うの?? という事は、私は席が無いの? 心配になって係員に尋ねた。

 席は別に買わないといけないの?いえ大丈夫です。お客様の席はあります。
 これは壁際で足元が広い席や、非常口の横、また仲間と一緒に並んで座り
 たい人等が、席を指定出来るとの事、なるほど。これで少し料金を稼いでいる
 のか? HPでチケットを購入した時も、有料席というのが、あった様な...

 そして、どんどんと列が進み、私の順番が近づいてくると、何か多くの客が、
 スタッフと言い争っているのが聞こえる。そしてお金を払っている。良く観察
 すると、エクセス(荷物の重量超過)料金の様だ。多くの乗客が重量オーバー
 でエクセウをとられている様だ。確かに通常の航空会社でエコノミーでも20kg
 は大丈夫だが、春秋航空では15kgとなっている。これはネットでも明記され
 ているので皆知っているはず。私もこの様な航空会社ではかなり厳しく徴収
 されると思い少し控えめで14kg位に抑えた。

 しかしさらに近づくと、これはやばい! 通常は荷物は機内預けの荷物が
 15kgで機内持ち込みは、別に少し認められているが、ここではすべてを含めて
 15kg、またウエストバッグ等も一緒に計量される。これでは皆超過してしまう
 人も多くいる筈。また超過料金は1kg¥1,500 これじゃへたをすると航空
 運賃よりも高くなる事もある。

 これはちょっと計算外、そうかここで稼ぐのか? 私は列を抜け出して近くに
 置いてある量りで自分の荷物を計った。PCやカメラ、電話等は、リュックや
 ウエストバッグで持ち歩くが、これらを含めると。18kgをオーバーしてしまう。

 3kgもオーバーすれば、¥4,500も取られる。また向こうでも乗り継げば、そこ
 でも取られてしまう。これはまずいので、とにかく軽量化、荷物の中から、重い
 ジーンズや、リポビタン。等を車に残す。しかしどうしても持って行かなければ
 ならないものは置いて行けない。何とか考えられる軽量をして、再度計量する
 そうすると、すべて含めると16kgあと1kg、しかしもうこれ以上計量出来ない。
 しょうがない、後は奥の手で、カメラ、財布、電話(2個) 鍵等は、僅かだが
 これらを寒くも無いのにジャケットを着てポケットやズボンのポケットに入れた。
 さすがにポケットの物等は出せとは言わないだろう。

 そしてチェックインの順番が回って来た。何かレースの時の車検を受ける時の様
 な感じがした。レースでもそうだがこの様な時はおどおどしてはだめで堂々として
 出来るだけ気を他に逸らさせるのが私の手法。ちらっとデジタルの量りの数字を
 見ると15.8kg これは微妙だな! 取られるかな? 私はわざと話かけて
 無駄だとは思うが一応試みた。今日はいい天気ですね、満席ですか?
 席の指定は出来るのですか? 窓際、通路側の指定は出来ます。では通路
 側をお願いします。上海では翌日ですが、重慶まで行きます。同じターミナル
 ですか?等と話しかけた。係員は愛想よく応えてくれた。そしてちらっと量りを
 見ていたが何もいわずに、そのまま搭乗券をくれた。 セーフ!!

 ここで驚いたのは、チェックインの祭の席の、シートマップは別の係員が手で記入
 していた。たぶん20年位前の手法では無いかな? しかしPC入力等で複数
 入力するとダブったりする事もあるが、これは、シットマップが一枚しか無い為に
 間違いが無く、また処理も早い。 アナログだが良い方法だと思う。

 またチケットは吹けば飛びそうな薄い紙切れ。そして登場時は端の一部を
 切り取る。しかし通常ならミシン目等が入っているが、何も無いので、まさに
 破り取るといってた感じ、これを入り口と、登場口の2ヶ所で”破る。”

 
チケットの切り方でも、日中(中国では中日と言わないと叱られる)の性格の
 差が良く分かる。上は茨城空港での半券、下は中国での半券。 
 上は切り取り、下は引きちぎり...しかし、時間は3倍位中国の方が速い。
 どちらが良いのか?



 
空港内は大変小さい。1階ですべての手続きが終了する。
 2階はレストランや売店、送迎所がある。



 
出発ゲートも一箇所、中に入るとイミグレーション、とセキュリティチェックがある。


 無事チェックインが終わり、まだまだ時間があるので二階へ見学に行く。
 多くの中国人が土産店や、レストランで食事をしている。うどん、ラーメンが
 人気の様だ。 飛行機では食事が出ない為か? メニューを見ると何か中国
 人向きのメニューの様に思える。そして価格も高い。 私は途中で食べたので
 ここでは何も食べない。ちなみに飛行機でも予約をすれば、食事は用意して
 くれる。メニューは3つ位で、¥450位ととの事。

 二階へ行き、送迎デッキに出てみると、周りには何も無く大変景色が良い。
 滑走路をはさんで少し自衛隊の建物等が遠くに見える。

 多くの人が見学をしていると、丁度スカイマークの到着便が着陸。 そうか?
 出迎えに来ている人も多いのかも知れない。飛行機は着陸すると直ぐに
 Uターンをしてターミナルに戻って来る。たぶん2、3分かな? 成田等では
 着陸後15分位エプロンを走行する事も良くある。これも小さい空港のメリット
 かな? ちょうど桶川の本田空港の様だ。

 しかしこの茨城空港には、サテライト(ターミナルから直接飛行機に出入りする)
 の設備が無い。昔のタイプのいわゆるタラップだ。しかしこれも大変懐かしいと
 共に、今では逆に新鮮な感じがする。VIP等の到着には常にタラップが使用
 されている。

 そしてスカイマークの飛行機がターミナルに近づいて北。皆が写真を撮り
 出した。 綺麗な機体だったので、私も写真を取ろうと思いカメラを向けると、
 あれっ? レンズが曇ってしまった。 何で?良く見るとカメラのレンズでは無く、
 正面のガラスの左側が曇って見えなくなった。右側は問題なく見える。

 他の多くの人も不思議がって、皆右側へ移動する。すると曇りが追いかけて
 来る。何処へ行っても左半分は、曇ってしまう。 飛行機を撮影しようとすると、
 むしろ左側へ行き、右を向くように撮影すると良い。 

 近くにガードマンがいたので尋ねてみると、左の方には自衛隊の基地があり、
 それを撮影等出来ない様に、なっているとの事。とても不思議なガラスだ。

 後で飛行機が離陸する時に見ると、滑走路の横にはジェット戦闘機が
 ずらりと勢ぞろいしていた。 しかし、上からだと簡単に撮影出来る...

 飛行機が到着、しかし、左のの方向は曇りで撮影出来ない。


 不思議なガラスに、皆もびっくり。



 搭乗時間が近づいてくると、皆ゲートに並び始める。 まだ十分に時間があり
 入り口は一人ずつしか通れないのに、やはり3列位になる。
 
 時間は正確にゲートが開き、セキュリティ検査、出国審査を終え、飛行機まで
 歩いて向かう。 そしてタラップを上ると飛行機の入り口でアテンダントが向えて
 くれる、いつもはここでいらっしませ、を愛想が良いのが普通だが、殆どお客を
 無視して仲間と話ている。 中はさぞかし狭いと思っていたが、予想外に狭く
 は無い。通路を挟んで両脇に3列ずつの席、若干前後の間隔は狭いが幅は
 殆ど変らない。

 これ位だと、従来の中国の国内線だと普通にある。私くらいだと辛うじて足が
 組める程度はある。 ただリクライニングにはならない。 皆が夫々自分の席
 を探して着席するが、通常はアテンダント等が席に誘導したり荷物を棚に入れ
 るのを手伝ったりするが、今回のアテンダントはただ黙って見ているだけ...

 日本人のアテンダントはいない。 中国の新幹線等では良く見られる光景だが
 自分の席を無視して座る人がいる、注意すると一杯空いているから他へ座れ
 という。 ここでも同じ様に自分の席で無い所に座った人がいて、少し言い争い
 となった。ここではやはりアテンダントが登場して。指定の席に座らされた。

 私の隣には、中国人の中年のおばさん。最初に愛想よく、ニイハオと挨拶。
 私も、ニイハオ!。それ以後話す事は無かった。

 機内はほぼ満席、周りを見渡した所空席は無さそうだ。 全員が登場した
 らしく、機は突然動き出した。 何のアナウンスも無く合図も無かった。しかも
 時間も定刻よりも10分以上早い。 
 余談だが中国では、新幹線でも定刻より早く出発する事もある。
 私の知る限りでは5分も早く出発した事がある。長距離の夜行列車等は、
 到着だが、30分以上も早く着く事もある。

 動き出すとすぐにアテンダントが救命具の説明を始めた。最近は殆どTV等
 で説明するが、この飛行機にはTVは無い為にアテンダントが実演をする。

 説明も中国語、英語、そして分かり難い日本語で説明される。 この後は、
 もう何もサービスは無い為に眠りに入る。時々機内販売で、飲み物やお菓子
 等が販売される。丁度新幹線の様なものだ。

 そして約2時間半、少し回りが騒がしくなって来た、そろそろ下降かな?と思い
 目を覚ますと、皆がアテンダントの指示に従って軽運動をしている。手を伸ばし
 たり拍手をしてたり、結構皆がするのは、やはり中国人か? 

 そして下降に入るとアテンダントがゴミを集めに回ってくる、自分の身の回りの
 ゴミを片付けて、シートポケットには新しいゴミ袋を乗客が入れる。

 そして着陸の案内、通り一遍の説明はあるが、荷物を全席の下に入れるとか
 うるさく言わない。

 そして飛行機は普通に着陸。上海空港は大変大きな空港の為に、着陸後
 かなり地上を走り続ける。この間にもう電話ラッシュ、飛行機が止まるまで電源
 を入れない様に注意はあった。しかし皆無視。 また誰も注意しない。

 そして飛行機はターミナルへは着かず、沖止め。そしてバスにてターミナルへ、
 また飛行機が止まる前にはもう皆立ち上がり、荷物を取り出す。日本の航空
 会社等だったら、うるさく注意されるのだが...こちらではこれも無視。

 そしてドアが開くと我先に...バスにてターミナルに着くともう後はいつもと同じ、
 無事、RCCの初飛行は終了と相成った。

 私としては特に大きな違和感は無く、何も気を使わなくても良いので、ある
 意味気楽で、またすべてに簡素で早く、良いサービスや雰囲気を望まなければ
 価格を考えれば大変良いと思う。ただ日本人的な思考で多くを期待すると、
 失望しまた腹立つ事も多くあるかも知れない。

 様々なサービスや笑顔も料金の内と、つくづく考えさせられました。この価格で
 費用の掛からない、個人のサービス精神が入れば、非常に良いものになると
 思った。
 
 
通路を歩いて飛行機は向う。


 
タラップにて飛行機に乗り込む。 
 春秋航空は英語名は、SPRING AIRLINE (春航空)



 
翌日、重慶へ向う、上海空港(浦東)は、やたら広い。


 
この空港では、サテライトから出発出来る。


 以上、RCC初体験記でした。